1️⃣ Dubsmashって知ってる?TikTokより前に流行ったアレ
TikTokが世界を席巻する前、2014年頃に一部のZ世代や海外オタクの間でバズってたアプリ、
それが Dubsmash(ダブスマッシュ)。
使い方は超シンプル:
映画の名セリフ、ラップの一節、バラエティの一言など、好きな音声を選んで、
自分がそのセリフを言ってる風に動画を撮る=“口パク動画”を作るだけ。
当時はセレブもこぞって使っていて、アメリカではバズの最前線。
でも日本ではそこまで火がつかず、
「え、なにそれ?TikTokのパクリ?」
という扱いが多かったのが正直なところ。
2️⃣ 実はTikTokのDNAはDubsmashから来てる
TikTokやYouTube Shorts、Instagram Reelsの
「音源×演出×テンプレ動画」ってありますよね?
あの仕組み、実はDubsmashが最初にやってたんです。
- 音声ベースのミーム文化
- 誰でも参加できる低ハードルなクリエイティブ
- 短くて中毒性のある動画体験
いまのSNSマーケティングで“当たり前”になっているフォーマット、
その起点はDubsmashだったとも言えます。
3️⃣ じゃあなんで消えたの?
理由はいくつかあります。端的に言うと…
📉 進化しなかった
TikTokはアルゴリズム、UI、撮影機能、全てを爆速で進化させた。
Dubsmashは昔のまま。流行に乗れず、ユーザーが離脱。
💰 マネタイズなし
TikTokはCreator Fundやライブギフトなど収益モデルを整備。
Dubsmashにはクリエイターが稼げる仕組みがなかった。
🇯🇵 ローカライズ不足
TikTok Japanは日本のインフルエンサーを積極起用し、ローカルの文脈に入り込んだ。
Dubsmashは日本市場での動きがほぼ皆無。
📲 機能不足
Duet、Remix、フィルター、エフェクトなど、今では当たり前の機能がなかった。
結果、ユーザーが「つまらない」と感じるように。
4️⃣ 最後の抵抗、そして静かに消滅
2020年後半、Dubsmashはアメリカで黒人クリエイター支援を軸に再始動を試みました。
それを見て動いたのが Reddit(レディット)。
なんとDubsmashを買収し、動画領域強化に使おうとしたのです。
でも2022年には正式にサービス終了。
名前すら忘れられ、静かにフェードアウトしました。
5️⃣ 日本のマーケ担当者・ブランドが学ぶべきこと
🧠 “最初”だからと言って“勝てる”とは限らない
Dubsmashは最初のムーブメントを起こした。
でも勝ったのは、資金・組織・プロダクトをフル活用したTikTok。
🧠 プロダクト≠カルチャー
アプリは単なるツール。
バズを生むのは、カルチャー・コミュニティ・収益の仕組み。
🧠 「なんか面白い」だけじゃ生き残れない時代
ユーザーは今や、情報・時間・お金を投資する“場所”を見極めてる。
その期待に応えられないと、すぐに見限られる。
🔚 結論:Dubsmashは負けたが、その火は今も燃えている
今TikTokやReelsで見かける「映画のセリフを口パク」「ネタ音源を使ったネタ動画」
それ、全部Dubsmashが先にやってたことです。
“あいつが歩いたから、俺たちは走れるようになった。”
そういうポジションのアプリだったのかもしれません。